授業が終わった瞬間、ある女の子が
「また今日もお母さんに ほめられるわ~」
と、ニコニコしながら言っていました。
この子は、本当に算数が好きで、ずっと笑顔で問題を解いています。
しかしながら、最初はそうではありませんでした。
パズルクラブに通い始めた頃、今から4年くらい前でしょうか。
まだ幼かったこともありお母様と離れがたい様子で、時には泣きながら教室の扉を開けたこともありました。
下のお子さんがいらっしゃるのでお母様はどうもそちらにかかりっきり。
その女の子は自分が勉強している間、下の兄弟にお母様を独占されるのも気になっていたのでしょう。
しばらくして、お母様には教室の外で待機していただくようにお願いしました。
授業中の集中度は大幅にアップしましたが、依然として泣きながら入ってくるのはあまり変化ありませんでした。
そこで、何故泣きながら入ってくるのかを聞いてみると、
「ここに来たら、宿題をもって帰らされるやろ、そしたら宿題をする時お母さんに叱られてばっかりやからきたくないねん」
というではありませんか!
これは困った事です。
(近未来を予測して泣いているのには驚きましたが。)
で、お母様にも聞いてみると
「私が家では教えているのですが、間違えるので厳しく指導しています」とおっしゃいました。
普段優しい笑顔のお母様です。
そして、ある楽器の素晴らしい演奏者であることも別の方から聞いていました。
きっと、楽器の練習の時には妥協を許すことなく、ご自分に厳しく練習されていたのでしょう。
そして、同じような姿勢でお子さんのお勉強にも完璧さを求めておられたのだと思います。
そこで今度は、
「お家でお勉強を教えないでください。」
と、お願いしました。
その女の子には、
「宿題は、教室でお勉強した内容を思い出して、自分ひとりでやってきてね。そのためにここで習ったことを忘れないように覚えてお家に帰ってね」
と、言っておきました。
もともと集中力のあるお子さんでしたから、そこから目覚しいスピードで勉強が進みました。
特に掛け算に入ってからはドット棒の形がすぐに思い浮かぶのか、九九を覚える前に
493×8や615×6などをパパッと解いていました。
そのあたりから、お母様は『勉強が出来る事に対してお子さんをほめる』だけになっていったようです。
その女の子、勿論今ではニッコニコの大笑顔で教室の扉を開けて、大きな声で「こんにちは~」と、ご挨拶しながら入ってきます。
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泣いてばかりの頃、一度お母様から「パズルクラブをやめさせようか迷っている」とご相談を受けた事がありました。
でも、そのときに辞めてしまっては「算数やお勉強がきらい」と自分自身で思ってしまうだろうと考えたので、「とにかくもうしばらく辞めないでください。」とお引止めしました。
今では「算数が大好き、考える事は得意分野」と思っているのは間違いないので、
昨年末に「いつ辞めてもいいですよ」と、申し上げたのですがお母様から
「本人が楽しいらしく、もうしばらく通わせてください」との言葉を頂きました♪
お母様の我慢が実を結んだんだなぁと、心がじんわりあたたかくなったことばでした。