そろそろ関西では、中学受験の願書を入手され、書き始めるころでしょうか?

最難関といわれる私立中学では、小学校の調査書添付が必要な場合が多いですね。

甲陽学院中学や灘中を受験する場合は、5年生の一学期から6年生の二学期までに、
合計20日以上休まないほうがいいといわれています。
(入院などのはっきりとした理由がある場合は別)
30日以上休んで、小学校の調査書に何も理由が書かれていない場合、中学校から問い合わせのお電話が小学校やご自宅に入る場合もあるそうです。
これは、小学校を休んで、中学受験の勉強をするようなことは避けてほしいという、中学校側の意図があります。

提出義務のある日数は6年生の二学期までですので、冬休み以降はお休みしても調査書には書かれません。
ただし、晴れて希望校に入学が決まったあと、通っていた小学校から中学校へ直接、3学期も含む出席日数などの書かれた調査書(名前は違うかも)が送られますので、3学期にどれだけ休んだかは中学校に伝わります。

さて、小学校の校長先生名で書かれる調査書ですが、実際には6年生の担任の先生がお書きくださることが多いでしょう。

甲陽学院の調査書は、
・5・6年生の成績表
・総合的な学習の活動とその評価
・備考
・総合所見および指導上参考となる諸事項、
・行動の記録(かなり細かく分類分けされています)
・出欠の記録と欠席の主な理由
・健康状況

灘中の調査書は、
・5・6年生の成績表
・総合的な学習活動の評価
・出席日数(備考欄がありそこに欠席が多い場合の理由)
・その他の事項
・指導上参考になる諸事項や所見

と、なっており、

甲陽学院は、行動の記録欄の面積が広く取ってあります。
主な項目は、自律・責任感・思いやり・公正さなどです。

灘中は、欠席理由を細かく書けるだけのスペースが広く取ってあります。

このあたりからも両校が、どのような生徒に入学してほしいと考えているか、透けて見えるようです。

このような調査書を小学校の先生に作成していただく事になります。
本来のお仕事とは、違う事をしていただくのです。
一人数校×中学受験をする人数になりますから、先生のご負担は相当なものです。
そういうことをお願いするのだとしっかり理解しましょう。

ですから、小学校の担任の先生のお手間を少しでも減らすために、必要書類は学校の封筒のまま、ばらばらに提出するのではなく、ファイルにきちんと分けて見やすいようにしたほうがいいでしょう。
ファイルには消えないペンで大きくお子さんの名前を書いておきます。

また、小学校の先生が知りえない活動(例えばボーイスカウト活動やピアノの受賞記録、漢検や算数オリンピックの成績など)は付箋をつけて『参考として』それぞれの調査書の記入欄に貼っておきましょう。先生の手間が省けます。ただし、ご記入いただくことを先生に強要してはいけません。あくまで「参考資料」です。
中学校の先生は、小学校でピアノ伴奏した記録と、ピアノの受賞歴などが入っていれば、「音楽活動を熱心にしたんだな」と、その生徒の理解がより深くなります。(受験の合否には関係ありませんが)
もちろん、小学校での活動(体育会の応援団長や作文コンクール入賞、音楽会の指揮など)もアピールポイントを書いて付箋で貼っておくと先生が文章をおつくり下さる時に便利だと思います。とにかく、小学校の先生に協力体制でのぞみましょう。
受験当日は、学校をお休みする事が多いと思いますので、併願校も含めて受験予定の日程を一覧表としてファイルの一番最初に貼り付け、「上記の日はお休みします」と前もってお伝えしておくといいですね。

この、公立小学校の校長名で、作成されるこの文書は『公文書』となり、
封筒の取り出し口には『封』などの印鑑が押されていると思います。

例えば、受験日が重なる甲陽学院中学と灘中学のどちらを受験するか、なかなかきめられず、冬休み中にきめたいとなった場合、小学校の先生にお願いして二学期の終わりに両方の調査書を書いていただいたとします。
そして一方に提出した場合、もう一方の調査書が残りますよね。
小学校の先生は、どんな事を書いてくださったのか、見てみたいですよね。
でもこの調査書は『公文書』です。絶対に勝手にあけてはいけません。
使わなかった調査書は、封をしたまま小学校にお返ししましょう。

しかし中には、両校に願書と受験料を送って、受験当日まできめられなかった方もいらっしゃいます。
お子さんにどちらを受けるのか完全に任せていて、当日の朝、お子さんの後をお母様がついていって、一方の学校に行く道をお子さんが歩き始めて、ようやくどちらを受けるかわかったそうです。
お母様は、お子さんの後を追いかけながら、塾の先生に「うちの子、○○校に向かって歩いています!○○校を受けるみたいです!!」と携帯で実況中継のような報告をされたそうですよ。
まあこの場合は、両方の調査書を使用されていますから、小学校にお返しできないですね。

さて、六甲中学は、
願書の裏に「志願理由」という欄があり、本人と保護者がそれぞれ記入します。
こちらは、ささっとかけるようなものではないと思いますので、しっかり考えて心を込めてかく時間をとるほうがいいでしょう。
六甲中学のB日程は作文もありますので、文書で自分の言いたい事をしっかり書ける生徒に来てほしいという、学校の意図かもしれません。

以上、阪神間にある男子校三校の調査書と願書の話しでした。

それから、これはどの学校にも言えることですが、
願書を送る際、中学校から受験票などを返送していただく封筒なども同封します。
その封筒に切手を貼って住所を書き、封筒の宛名にお子さんの名前を書いておくのですが、「   様」と印刷されている場合が多いです。

その「様」の上に、自分の子どもの名前を書くので、ついつい「様」を消してしまいがちです。
一般的には 「様」を二重線で消して「行」に書き換えるのがマナーといわれています。
しかしながら、中学受験の返送用の封筒の「  様」は消さない方がいいでしょう。

中学校の受付担当の先生や事務の方のお手間を考えると、わざわざ「様」を印刷されている理由がわかります。
志願者が「行」に書き換えている場合、中学校側は受験票を入れて返信する際、また「様」と書き直さなければいけません。
何百という封筒を準備なさるのです。
想像するだけで、腱鞘炎になりそうです。
「様」を消して「行」にしていなくても合格ラインより上の点数を取っていれば合格できます。余計な気遣いはやめましょう。

洛南高校附属中学の、専願切り替えの話しも書きたかったのですが、長くなっているので次回にします。