「不便な生活を強いられる子どもは幸いです!」

あえて、このように言わせていただきます。

ここでも何度も書いていることですが、
現在の便利すぎる生活は、子どもの成長を阻害しています。

どういう事?

例えば水道まわり。
手を出せば水が出る蛇口。
用をたし終わって立てば自動的に水が流れるトイレ。
しかも、お尻まで洗って、乾かしてくれる。

軽い力で楽に開くドア。
さらに最近は、家の中の扉が自動ドアって言うのも珍しくない。
家の中は、段差なく脚を上げる必要がない。

部屋に入れば自動的に点灯する電灯。

家の中に設置されたエレベータやエスカレータ。

私から見ると『介護用』施設が、小さなお子様のいらっしゃるお宅になぜかたくさんある(笑)

このように便利な施設を眼の敵にして書いていますが、実は私が小学生の頃、
センサーで水が出る水道システムは
「こんなのがあったらいいな」と、稚拙な設計図を描いて親に見せたことがあります。
まだ、世間の自動扉が、下に引いてあるマットの重みによって開く時代のことです。

ですから、上のようなシステムがとても素敵だというのは、よーく理解をしているのです。

しかしながら、子どもの成長を考えると、それは不要なものなのですね。

自分の思い通りに動かせる筋肉のことを『随意筋』といいますよね。
その随意筋を自分の思い通りに動かせないお子さん、年齢どおりに筋肉が発達していかないお子さんが本当に多くなってきました。

では翻って、子どもの成長をうながしてくれる住宅とはどんなものなのでしょうか。

例えば、京都や加賀の古い伝統的な邸宅は、重いドア、高い敷居、寒いトイレ、磨き上げないと美しくならない床。
もっと古ければ、井戸汲み。

また、外釜式のまきでわかすお風呂、かまどなど。

こういう住宅は、ドアを一つ閉めるにしても『バタン』という音を立てないで閉めるにはどうしたらいいかと、いちいち考えなければいけません。普段そのようなドアを使っている方は意識していないかもしれませんが、間違いなく考えているのです。

重い引き戸なら、どのあたりをどのように持って開け閉めするのが効率がいいか考えます。

腕と頭の両方をそのとき使っているのです。

井戸汲みに至っては、滑車の仕組み(物理)や季節によって変わる水の温度(理科)ツルを引く力(体育)など一度に育ててくれるのです。

日本の昔の生活は、子どもの頭を良くし、成長させる要素がたくさんあったのですね。
だからこそ、世界の中で「日本人は賢い」といわれてきたのだと思います。
住宅が便利になるにしたがって、世界の中の「日本の頭脳」の順位も悲しい事に下がってきました。

さて、上のような理由から小さいお子様のいらっしゃるご家庭では、
・家の中の自動システムで、手動に切り替えられるものは、出来るだけ手動にする。
・二階や三階くらいなら、エレベータやエスカレータを使わず階段で上がる。
という、不便な生活をオススメしています。

しかしながら全てを京都の古い家屋のようには出来ませんね。

古い伝統あるお家にすまれているご親戚などいらっしゃれば、長期休暇などにとめていただく事が出来ると思いますが、そういう身近な方がいらっしゃらない場合、日本の各地で行われている『山村留学』も良いですよ。

留学地によって、それぞれ特徴があるようです。
小学校三年生から六年生のお子さんが、一年間親元を離れて、宿舎と地域のお宅にホームステイを一定期間繰り返すのですが、1年間というのはかなりハードルが高いと思います。

そういう場合は、夏休みに長期(12泊13日)とか短期(3泊もしくは5泊)など、合宿のような感覚で体験できます。

私の知っている神河町の山村留学では、ドラム缶風呂やかまども体験でき、有意義な時間を過ごせます。
宿舎は古い小学校を改装した建物です。

この夏休み分は、7月1日が締切りのようです。
興味のある方はホームページをご覧くださいね。

http://web.kcni.ne.jp/yamabiko/index.html

西宮のある男の子は小学5年生で、
鹿児島県種子島での山村留学に一年間行っていました。
ロケット発射台の近くで生活し、留学中は家を思い出したりはしたけれど、一度もホームシックにかからなかったと言っていました。
もともと宇宙少年団に所属し、ロケットが大好きなお子さんでしたので、楽しかったんですね。
留学中にロケットの発射も見られたようです。
★★★

また、全く別の視点からですが、思考しながら行動する基礎体験として
茶道をされるのはいかがでしょうか。
・動作一つ一つに意味をなし考える。
・おもてなしを通じて、人へ思いをはせる。
・お道具を大切に扱い、動作の最後まで気持ちを集中させる。

正座をさせると脚がO脚やX脚になってしまうというのが心配なら
最近は、椅子席でお手前を学ぶ教室もあるようですよ。