小学校受験と一言で言いますが、そのスタイルは中学受験ほど画一的ではありません。

日本の最難関小学校といわれる「慶應幼稚舎」と「洛南高等学校附属小学校」を例にとりますと、慶應が行動観察重視、洛南はペーパー重視とまったく違うスタイルです。

ペーパーテストといいましても、受けるのは幼稚園の年長さん。出題できる範囲は広くありません。幼児さんの理解できる範囲で難問を作り、合格する子が学校の狙い通りのお子さんになるように作るのかが難しいと思います。(必ずしもその小学校の先生が作るとは限りません。小学校の先生は、小学校の内容の専門家ですので、未就学児童が受けるテストは私たちのような幼児教室が問題作成を請け負うこともありますし、意見を聞かれることもあります。)

『図形』

形の合成・分割、線対称・点対称、相似・合同、非相似・非合同、図形模写、図形の移動、多方面から見た形を推理、図形を重ねる、点をつないで描く、欠所補完など

『数』

和・差、積み木の数、足し算・引き算・割り算・掛け算の概念、同数見つけ、サイコロ問題、量、割合・水かさ、順番、数の変化、数唱・逆唱、助数詞など

『常識』

季節、食べ物、道具、生き物、仲間分け、道徳、昔話、影、磁石、左右上下、風向き、時系列、絵の間違い探しなど

『言葉』

しりとり(なかとり)、同頭語・同尾語、反対語、音数、同音語など

『お話の記憶』

400~1200文字程度のお話を聞いた後、その内容に関した問題が出題されるというものです。

 

こういうことを「解法を覚えこませてとく」のではなく、自分の頭で考えられるようにしてあげることは、頭脳の発達に大いに役立ちます。

こういう問題に、適切な時期に触れされることは子育ての中で非常に大切なのではないでしょうか。

もちろん、こういったペーパーを使わなくてもそれぞれのジャンルで実体物や言葉遊びなどを通して親御様が教えることは可能です。小学校受験をされない場合は、むしろ実体験を重視してもらいたいぐらいです。でも、ペーパーをカリキュラム通りに進めると、抜けなく子どもにいろいろなことを適切な時期に考えさせ触れさせることが可能です。ペーパーの算数的分野においては、IQテストに似通った内容のものがあり、幼いころにやっておかなければ見えない・理解できない・処理しにくい問題もあるのです。その違いが成長後の脳の処理の違いになって出てきます。

例えば、知能的数の処理を経験せず、いきなり掛け算を九九から始めたお子さんは、九九を全部覚えても45×18を暗算で瞬時に解くことはできません。それどころか、ひっ算を教えられなければ計算する方法さえ思いつかないでしょう。しかし、パズルクラブの掛け算の単元を終えた生徒たちは簡単に810と答えられます。

それは、数を量でとらえているので、45を90に変化させ、18を9にして暗算で計算しているのです。教室では10×5は、10の棒が5本ととらえます。するとそれを横に見れば、5×10と同じだということに気づきます。それをもとに考える力が付くのです。

小学校受験の問題には、これほど大きい数は出てきませんが、これら小学校受験の問題は非常によくできていて、その問題を眺めると、未就学児の間にどのような能力を身につけないといけないかが見えてきます。

なぜなら、人間が能力を身につけるのに「臨界期」というものがあるからです。適切な時期に身につけていないと、その能力を身につける必要がないと体が勝手にそぎ落とすのです。(モンテッソーリ教育では、この臨界期を「敏感期」と呼んでいます。)

例えば、目に何ら異常がない赤ちゃんに、ずっと眼帯をつけて生活させるとどうなると思いますか。何かで読んだ知識で申し訳ないのですが、確か数か月で、網膜に像は移っているものの脳ではその画像を処理できずその赤ちゃんは一生目が見えないのだそうです。適切な時期に脳を刺激してあげないと、それを処理する能力をそぎ落としてしまうのですね。(たしか、ネズミか何かの動物実験でそのような結果を見た記憶があります)

体が「この機能は必要ない」と勝手に判断して能力をそぎ落としてしまう、その前に脳を刺激してあげましょう。

体のこの反応は、英語のLとRやVとBの聞き分けができる耳であるかどうかというのにも似ています。LとR、VとBなどを幼いころに聞き分ける必要のない環境に育つと、それを聞き分ける能力は必要ないと体が勝手にそぎ落とします。ですので、大人になってからいくら勉強しても聞き分けや発音ができない人がいるのです。

音楽の世界では「絶対音感」もそうではないでしょうか。身につけるにはこのくらいの年齢までという「臨界期」があります。

 

小学校受験の勉強をするとき、ただ受験を突破するだけの薄っぺらいトレーニングではなく、小学校受験を通して高い能力を身につけてもらうことが大切だと考えます。パズルクラブには、本物の小学校受験指導があります。