ノーベル賞

まさかの三年連続、日本人の受賞が決まりましたね。

大隈良典さんの「オートファジー」は、非常に身近でわかりやすい研究なので、より一層親しみがわきます。生物は飢餓状態になると、自らの細胞を作り替えたり休眠状態になったりして乗り切ろうとします。このことは、哺乳類の冬眠や、粘菌がアメーバ状態から胞子を形成することなどを通じて古くから知られていました。それを分子レベルで解明したところに素晴らしさがあるのですね。医師から見放されたがん患者が、仙人のような生活をしてガンに打ち勝った話も有名です。でもそれは、本人の体力が持つかどうかぎりぎりのところの勝負です。遺伝子で同じ結果を生み出せれば救われる命も多くなるでしょう。期待します。

さて、三年連続いやもっと?受賞が期待されているのが「村上春樹」氏ですね。

去年、間際までいったのに惜しくも残念で、がっかりしたのを覚えています。

村上春樹さんは、京都生まれの芦屋育ち。

お父さまは甲陽学院中高で、国語の教鞭をとられていた、「故・村上千秋」先生です。

春樹氏は、夙川にご家族で住まわれたあと、芦屋に引っ越してこられ十代の大半を過ごされました。

甲陽学院の周辺には、村上春樹氏の文に出てくる足跡のような場所が随所にあります。

阪神間の中学受験者の間では、「お父さんが教鞭をとっていた村上春樹が、甲陽学院を受験したが、合格に至らなかった」という話から「甲陽学院は私学だけれど特別枠とかの全く無い、全ての受験者を学力で公平に見る学校」としても有名で、甲陽学院の素晴らしい一面として語り継がれています。(当のご本人は、あまり嬉しくないエピソードでしょうが)

とはいえ、「世界の村上春樹」を育てた国語の源流が「村上千秋」先生を通じて、甲陽学院に流れているのは嬉しいですね。ただし、ウィキペディアによると村上春樹氏は「両親が日本文学について話すのにうんざりし、欧米翻訳文学に傾倒していった」というような事が書かれています。

日本文学について「うちのおやじとおふくろが国語の教師だったんで、で、おやじがね、とくにぼくがちいさいころね、『枕草子』とか『平家物語』とかやらせるのね。でね、もう、やだ、やだと思ったわけ。それで外国の小説ばっかり読み始めたんですよね。でもいまでも覚えているんだね。『徒然草』とか『枕草子』とかね、全部頭の中に暗記しているのね。『平家物語』とか。食卓の話題に万葉集だもの」と、村上龍氏との対談でおっしゃっていたそうです。

日本文学の基礎が頭の中にしっかり構築されている、そこが外国の方にも愛される『村上春樹文学』の礎ではないでしょうか。

日本の文化を欧米にという意味では、現在甲陽学院中学の英語の授業で、英語で俳句を作り龍谷大学の青春俳句に投句し数多くの生徒が受賞しています。国語は日本の中だけにとどまらずです。

今月13日ごろ、受賞者が発表される予定。楽しみです。