前回は、父親から子どもへと受け継がれる
性別・方向感覚・集中力・薄毛・感情の波
という「遺伝」のお話をしました。
今回からは、遺伝ではなく
「関わり方」
つまり
父親が子どもとどう接するかによって
子どもの脳がどう変わるか
というテーマで、全6回にわたってお伝えします。
この項目は、特に重要な子育てのポイントとなりますのでお子さんの教育に関わる全てのご家族で共有していただけると幸いです。
第1回目は
「お父さんの声」
です。
脳は「関わり」で育つ
生まれたばかりの赤ちゃんの脳は、
まだほとんど未完成の状態です。
脳の重さは生後すぐは約350g。
成人の脳(約1400g)の4分の1しかありません。
脳は、遺伝子の設計図だけで育つのではなく、
「経験」と「関わり」によって形成される
ということが、現代の神経科学で明らかになっています。
特に生後から10歳頃までは、
脳神経のネットワークが爆発的に増える
「シナプス形成の黄金期」です。
この時期に
誰と・どのように関わるか
が、脳の土台を決めます。
お父さんの声は、お母さんの声と違う
「お母さんの声」が赤ちゃんに大切なことは
よく知られています。
でも実は、
「お父さんの声」も、脳への刺激として非常に重要
であることが分かっています。
男性の声は女性の声より
低い周波数帯(85〜180Hz)を持ちます。
女性の声は
高い周波数帯(165〜255Hz)が中心です。
この違いが、赤ちゃんの脳にとって
重要な意味を持ちます。
2種類の声が、脳のネットワークを広げる
赤ちゃんの聴覚皮質(音を処理する脳の部位)は、
さまざまな音に繰り返しさらされることで
発達していきます。
お母さんの声 → 高い周波数帯の刺激
お父さんの声 → 低い周波数帯の刺激
↓
異なる周波数帯の音に同時に触れる
↓
脳の聴覚ネットワークがより広く発達する
これが後の
言語発達
読み書きの力
音楽的感性
にも影響するとされています。
(Rowe et al., 2004, Child Development)
声をかけるだけで、語彙が増える
アメリカで行われた大規模な研究では、
3歳までに子どもが聞いた言葉の数が、
その後の語彙力・学力に直結する
ということが明らかになりました。
これは「3000万語の差」と呼ばれる研究です。
裕福な家庭とそうでない家庭の子どもでは、
3歳までに聞く言葉の数に
3000万語もの差が生まれるとされています。
重要なのは、
その「語りかけ」に
父親が加わるかどうかです。
父親が積極的に語りかける家庭の子どもは、
語彙の広がりが大きいことが示されています。
なぜなら、
お父さんはお母さんとは違う言葉・違う話題で
子どもに話しかけるからです。
仕事の話
外の世界のこと
ちょっと難しい言葉
その「ちょっと難しい」が、
子どもの語彙を広げる刺激になります。
今日からできること
特別なことは必要ありません。
帰宅したときに「ただいま」と声をかける。
ご飯を食べながら今日あったことを話す。
テレビを見ながら「これ何だろうね」とつぶやく。
その「普通の声かけ」が、
子どもの脳の聴覚ネットワークを育て、
語彙を広げ、言語発達の土台を作っています。
毎日少しでいい。
お父さんが子どもに話しかける時間が、
脳を育てています。
また、周波数帯が違う声であればお父さんでなくても『おじいさん』や、年の離れた『お兄さん』でもいいのです。
幼い子が「まだ分からない」と思わず、出来れば大人扱いして【話しかけてあげてください】

