4、将来の薄毛
――男性ホルモンへの感受性の遺伝
男性の多くが気にする「薄毛」の問題。
「母方の祖父を見れば分かる」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、
実際はもう少し複雑です。
男性型脱毛症(AGA)の主な原因は、
テストステロン(男性ホルモン)が
DHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、
毛根を萎縮させることです。
ここで重要なのが
「男性ホルモンの影響を受けやすいかどうか」
という感受性の高さです。
この感受性を決めるのが
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子です。
AR遺伝子はX染色体上に存在します。
男性はX染色体を1本しか持たず、
それは母親から受け取ります。
しかし研究によると、
薄毛リスクに関わる遺伝子はX染色体以外にも多数存在し、
父親由来の遺伝子(常染色体)も
大きく影響することが分かっています。
薄毛遺伝子の関連因子
↓
AR遺伝子(Xより母から)+ 常染色体遺伝子(父からも)
↓
両方の影響で薄毛リスクが決まる
「父方・母方どちらを見ればいい?」という問いに対する答えは、
「両方を見るべき」
というのが現在の科学的な見解です。
(Hillmer et al., 2005, American Journal of Human Genetics)

