論理エンジンで有名な出口汪先生のお話しを聞く機会があり、内容を少しだけお伝えします。

小学生で(もしかすると中学生でも)読解ができない生徒は、書き手目線で読んでおらず、自分の主観で読んでいる事が大きな原因になっていることがある、とのこと。

小学生男子に多いパターンで、登場人物の気持ちを問われる設問で【自分ならこう思う】という答えを書いてしまうのを、私はよく経験していましたが、文章そのもの全てを自分目線で読むなんて事があるのか❗と、衝撃を受けました。つまり、自分も登場人物の一人になってしまっているのですね。私は書き手か主人公目線でイメージして読むことしかなかったので、これは本当に驚きです。

物語本は好きでよく読むけれど、国語の問題がうまく解けない子は、こういうところに原因があるかもしれませんね。

私が年少下の授業などで提唱している、絵本の読み聞かせ方を実践していただくと、こういう問題は解決するかもしれません。(その方法はまた別の機会に)

自分と文章の距離をおいて、読み進めるための練習にはやはりパズルクラブでも使っている塾用の「論理エンジンキッズ」や家庭用に作られている「はじめての論理国語」が良いですね。

そしてもうひとつ、目から鱗だったのは、「語彙力をつけるには漢字の習得をする」です。

そもそも漢字の学習は、
小学校六年間で旧漢字全てを単漢字として学ぶ=従って訓読み。

中学生になると、小学校で学んだ漢字の組み合わせ=すなわち音読みとして学習する。

漢字の学習って、そうなっていたのですね。知りませんでした!

その漢字を「漢字覚えや筆順練習」などで終わらせず、学習している漢字の訓読みと音読み、熟語、使い方の例、などを学習することによって自然と語彙力が身に付くとのことです。

私は自分の子どもが小学校三年生の頃から、全国の地方新聞のコラムを取り寄せ、そこに出てきている意味を知らない漢字を全て書き出して辞書で意味調べをさせていました。なぜなら、日本の義務教育は中学までなので、コラムに関しては中学三年生までの国語力で理解できるように調整してあるはずだと思っているからです。中三までなら小学生でも十分理解できると考えました。実際には、歳時記もあれば古典、戦争などその地域や時節に応じたものが多く、小学生には少し難易度が高かったかもと今では感じます。

余談になりますが、常々教室の生徒さんにも漢字の習得は早ければ早い方がいいと、お伝えしています。漢字が読めれば学年を飛び越えてどんどん自分が興味を持った本を読み進めることができますが、漢字が読めないとその本を読むことを諦める可能性が高くなるからです。もしくは漢字を間違って適当に読んでしまうとか、読み飛ばし癖にもつながってしまいます。

しかし今ではそんな苦労をせずとも、出口汪先生が素晴らしいテキストを発刊してくださっています。「頭のよくなる漢字」シリーズです。これまで漢字のより深い習得のために教室では利用することもありましたが、語彙力強化のためにも使えると出口先生自らおっしゃっているので、そういう目線でも使ってみようかなと思います。

出口先生の小学生用テキスト、論理と漢字のどちらのシリーズもおすすめです🎵

ただし、論理エンジンキッズやはじめての論理国語は文章が短く、あくまで論理的に読み進める手法を身に付けるためのテキストかと思います。難関中学以上の受験国語を見据えての国語学習であれば、もう少し長い文章を早いスピードで読みこなして解いていく練習も必要です。