先日、体幹がなくていつもどこかにもたれている生徒のお母様に「姿勢が悪かったのですが、BVTに参加するようになって少しよくなってきましたね」という主旨の話をしたら「姿勢が悪いとは思えないのですが」とおっしゃいました。

「ん?、でも、いつもどこかにもたれていて、自分の体で上半身を支えることができていませんよ」と、説明したのだが、あまり納得されていない表情でした。

本科の授業中でしたのでそれ以上の話しはしませんでしたが、その後気がついたことがあります。

もしかして、他のお母様含めて「姿勢がいい」という言葉を勘違いなさっているかも?

人の身体は、骨で支えているのです。決して筋肉ではありません。

ですから、軍隊のように全身に力を入れて垂直に立つことが「姿勢がいい」のではないのです。 もしかして、大半のかたがそう思っていらっしゃるのかな?

「姿勢がいい」とは

⭐まず、足の内くるぶしからまっすぐ下に身体全体の荷重がかかっているか。そんな風に立てれば、指と指の拇趾球~踵にまんべんなく体重がかかるはずです。(足先や踵に重心が片寄っていないか)

⭐10センチほど(恥骨幅)足を開いて自然な形で立ったときに、親指から踵までが平行になっているか。(外に開いたり内に閉じたりしていないか)

⭐骨盤と大腿骨の接点で、上半身の重みを支えられているか。座っているときもこの接点は大切です。

⭐背骨が骨盤の上に綺麗にならんで、積み重なっているか。

⭐重い頭を力を入れずに首の上に置けているか。

上記のような姿勢をとると、身体に余計な力は入りません。だからその姿勢をとり続けてもグラグラしたり、身体のどこかが凝ったりしないのです。

そういう「いい姿勢」を作るために、BVT体操で間接の動きを確認しながら体幹を作っていっているのです。

この感覚は、一生お子さまがたを病気から遠ざけるものです。

身体に変な力が入ると、スポーツで怪我をしやすくなるだけでなく、ストレスにも影響します。

同じ圧をかけられても、身体の力が適度に抜けていれば病気にもなりにくいのです。笑うことや声を出すことがストレス発散や免疫力アップと言われますが、その理由は、そういう行為は身体の力をうまく抜くことができるからなのです。

もっと言えば、私の個人的見解ですが、「力を抜いて」と言われて、上手にふっと力を抜ける子は大抵IQが高いです。鉛筆の持ち方指導のときにそれを感じます。幼い子どもにとって、力をいれることは簡単ですが、意識して脳の指令通りに指示された場所の力を抜くのは難しいのです。

眼と身体と脳は密接な関係がありますので、是非教室に通っている年齢の内に習得してくださいね。

この体幹が出来てから、スポーツなどで必要な筋肉をつけるのがいいのです。

近々、BVT体操もバージョンアップしたいと考えています。お楽しみに。

 

追記

東大を目指していた高校二年生の少年が、大学入試共通テストの初日に、受験に来た人など三人もの人をナイフで刺したという事件がありました。東大を目指していたが勉強がうまくいかなかったというのが理由だそうです。

人生にはたくさんの圧がかかります。

その圧がなければ人は成長できないのですが、必要以上に圧を感じると、その圧を上手に抜く方法を知っている者と知らない者とでは、人生が全く変わってしまいます。圧を自分で上手に抜きながら、目標に向かっていけるのが理想ですね。そういう指導をしてくれる人が事件を起こした子の周りにはいなかったのかなと、とても悲しい思いでニュースを見ました。