第9回
あなたの体は10年前とは別の体?
― 人間の細胞は入れ替わり続けている ―
私たちは普段、
「自分の体はずっと同じ体」
だと思っています。
しかし生物学の研究によると、
人間の体の細胞は
常に新しく作り替えられています。
つまり私たちの体は、
少しずつ入れ替わりながら
保たれているのです。
細胞は毎日生まれ変わっている
体の中では、
毎日たくさんの細胞が
-
生まれ
-
働き
-
役目を終えて
-
新しい細胞に置き換わる
という循環をしています。
例えば
皮膚
は約1か月で入れ替わります。
細胞ごとに入れ替わる時間は違う
体の細胞は、
すべて同じ速さで入れ替わるわけではありません。
代表的な例を見てみましょう。
| 細胞の種類 | 入れ替わる目安 |
|---|---|
| 腸の細胞 | 数日 |
| 皮膚 | 約1か月 |
| 赤血球 | 約120日 |
| 肝臓 | 約1年 |
| 骨 | 約10年 |
このように、
体の細胞は少しずつ入れ替わりながら
体を保っています。
10年前の体とはかなり違う
細胞の入れ替わりを考えると、
10年前の体と今の体では
多くの細胞がすでに新しくなっています。
つまり私たちの体は
同じ体でありながら
少しずつ新しくなり続けている
と言えるのです。
それでも「自分」は変わらない
ここでとても面白い疑問が生まれます。
もし細胞が入れ替わるなら、
「自分」とは何なのでしょうか?
体の材料は変わっても、
-
記憶
-
性格
-
意識
はつながって続いています。
つまり人間は
細胞が入れ替わりながらも
同じ存在として生きている
という不思議な生命なのです。
子どもたちへの問い
この話を子どもたちにすると、
よくこんな質問が出ます。
「じゃあ、ぼくは昔のぼくと同じ人なの?」
とても良い問いです。
科学はまだ
「人間とは何か」という問いに
完全な答えを出していません。
しかし一つ言えることは
人間の体は
変化しながら続いていく生命
だということです。
生命は「流れ」のようなもの
川の水は常に流れていますが、
私たちはそれを
「同じ川」
と呼びます。
人間の体も同じです。
細胞は入れ替わり続けますが、
生命は流れとして続いている
のです。
(イラストはイメージ)


