前回は、お父さんの「荒っぽい遊び」が
前頭前野を鍛え、社会性を育てる
というお話をしました。
今回は、行動ではなく
「待つ」
という関わり方のお話です。
何もしないように見えて、
実はこれが子どもの脳に
大きな影響を与えています。
お父さんとお母さんの「反応の違い」
研究によると、同じ場面でも
父親と母親では反応のタイミングに違いがあります。
子どもが困っているとき
お母さん → すぐに手を差し伸べる傾向がある
お父さん → 少し様子を見てから動く傾向がある
これは優劣の話ではありません。
お母さんの「すぐに助ける」は
安心感と信頼の基盤を作ります。
お父さんの「少し待つ」は
別の大切なものを育てます。
「待つ」ことで何が起きるか
子どもが少し困っている場面で
すぐに助けられる
↓
「誰かがやってくれる」が刷り込まれる
↓
自分でやってみようとしない
一方
少し待たれる
↓
「自分でやってみる」にチャレンジする
↓
「できた!」という達成感が生まれる
↓
脳にドーパミンが分泌される
↓
「またやってみよう」という意欲が生まれる
この繰り返しが、
自己効力感(自分はできるという感覚)の基盤を作ります。
自己効力感とは何か
自己効力感とは
「自分はやればできる」という感覚
のことです。
心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、
学力・社会性・精神的健康・仕事の成果など
人生のあらゆる場面に影響することが
多くの研究で示されています。
自己効力感の高い子どもは
難しい問題に諦めずに取り組む
失敗しても「もう一度やってみよう」と思える
新しいことへの挑戦を恐れない
という傾向があります。
この感覚は、
「誰かに助けてもらった記憶」ではなく
「自分でできた記憶」の積み重ねによって育ちます。
(Paquette, 2004, Human Development)
「待つ」にも技術がいる
ただし、「待つ」といっても
ただ放置するということではありません。
大切なのは
子どもをちゃんと見ている
いざとなれば助けられる状態でいる
でも、すぐには動かない
という「見守り」の姿勢です。
子どもは
「お父さんが見ていてくれている」
という安心感があるからこそ、
チャレンジできます。
見ていない放置と、
見ながら待つことは
まったく違います。
失敗させることも、脳への贈り物
「待つ」関わりの中では、
子どもが失敗することもあります。
転ぶ。
うまくできない。
泣く。
でもその体験が、脳にとって重要です。
失敗する
↓
悔しい・もう一度やりたい
↓
試行錯誤する
↓
できた!
↓
「失敗しても大丈夫」という回復力(レジリエンス)が育つ
この回復力こそが、
長い人生を生き抜く力の土台になります。
今日からできること
子どもが何かに手こずっているとき、
3秒だけ待ってみてください。
靴ひもを結ぼうとしている。
ジッパーが閉まらない。
パズルのピースが合わない。
その3秒が、
子どもの「自分でやってみる」を引き出します。
お父さんの「待つ」という関わりが、
子どもの自立心と挑戦する脳を育てています。
鈴木をはじめ、パズルクラブの学びでは、すぐに手を差し伸べず【生徒が自分で考える時間を与える】ことによって、生徒の思考力をぐんぐん伸ばしています。

