前回は、お父さんの「少し待つ」関わりが
子どもの自己効力感と自立心を育てる
というお話をしました。

今回は

「お父さんとの会話」

が子どもの言語能力に与える影響についてです。

「うちの子、語彙が少ないな」
「もっと言葉をうまく使ってほしい」

そう感じているなら、
お父さんの出番かもしれません。


お父さんとお母さんの「話し方の違い」

研究によると、
父親と母親では子どもへの話し方に
明確な違いがあることが分かっています。

お母さんの言葉
→ 子どもに分かりやすいよう言葉を簡単にする
→ 感情に寄り添った言葉かけが多い
→ 「大丈夫?」「つらかったね」など

お父さんの言葉
→ 子どもが知らない言葉をそのまま使う傾向がある
→ 出来事の説明・理由・因果関係を話すことが多い
→ 「なぜ?」「どうして?」「つまりこういうことだよ」など

どちらが良いかではありません。

この「違い」が、子どもの言語発達にとって
とても重要な役割を果たしています。


「難しい言葉」が語彙を広げる

お母さんは子どもに合わせて言葉を選びます。
これは子どもの理解を助ける、とても大切な関わりです。

一方、お父さんは

子どもが知らない言葉をそのまま使う

ことが多いとされています。

「今日はすごく渋滞していてね」
「これは効率が悪いんだよ」
「お父さんが子どものころは○○だったんだ」

子どもは「渋滞って何?」「効率って?」と感じます。

この「少しだけ難しい言葉との出会い」が、

新しい言葉を知りたいという好奇心を生む
↓
語彙が広がる
↓
読解力・表現力の基礎が育つ

という流れを生み出します。

(Pancsofar & Vernon-Feagans, 2006, Early Childhood Research Quarterly)


「なぜ?」の会話が論理的思考を育てる

お父さんの会話のもう一つの特徴は、
「原因と結果」を話す傾向です。

「なんでこうなったと思う?」
「それはこういう理由があってね」
「だから、こうなるんだよ」

この「なぜ・だから・つまり」を含む会話が、
子どもの脳に

物事には原因がある
↓
順を追って考える
↓
論理的に説明する

という思考回路を作ります。

これは学校で学ぶ
算数・理科・国語の読解
すべての基礎となる力です。


2〜4歳が特に重要

特に2〜4歳の時期に
お父さんが積極的に会話に関わっていた子どもは、

小学校入学時の言語能力が有意に高い

という研究結果が複数あります。

この時期は、脳の言語野が急速に発達する時期です。

言語野に入ってきた「多様な言葉・多様な話し方」が、
ネットワークの幅を広げます。

お母さんの言葉とお父さんの言葉、
この2種類の言語刺激が
子どもの言語脳を豊かに育てます。


今日からできること

難しく考えなくていい。

食事のとき、今日あったことを話す。
車の中で「これ何だと思う?」と聞く。
ニュースを見ながら「これはね、こういうことなんだよ」と説明する。

子どもが全部理解できなくていい。

「なんかお父さん難しいこと言ってた」
という記憶が、後の語彙力につながっています。

お父さんが普通に話しかけるだけで、
子どもの言語の脳は育っています。

英才学考パズルクラブ鈴木は、出来るだけ平易な言葉を使わず、お父さんのように大人と会話する言葉で生徒に話しかけます。