前の投稿で、BVT受講をすることによっていかに能力がアップするかを書いたのですが、ではパズルクラブで伸ばすような能力が、成育途中で伸ばす機会がなく伸びていないとするとどうなるかということをメモしておこうと思います。
パズルクラブ(本科+BVT)で伸びる能力=数量感・図形(空間)認知能力・思考力・言語能力
パズルクラブは算数メインのお教室ですので、算数っぽく問題の「極端な例」をまず考えてみます。
親にとって一番いやな子どもの状態というのは、子どもが「非行少年少女」になり犯罪者になってしまうことではないでしょうか。
児童精神科医の宮口幸治さんが、ご自身の著書で書いておられることを引用させていただきます。
【非行少年に共通する特徴】
・認知能力の弱さ…見たり聞いたり想像する力が弱い
・感情統制の弱さ…感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる
・融通の利かなさ…なんでも思い付きでやってしまう。予想外のことに弱い
・不適切な自己評価…自分の問題点がわからない。自信がありすぎる、なさすぎる
・対人スキルの乏しさ…人とのコミュニケーションが苦手
・身体的不器用さ…力加減ができない、身体の使い方が不器用
これらに加えて勉強の基礎となる漢字や計算ができないという特徴があるそうです。
こういう特徴がある場合、いくら反省文を書かせたり矯正教育を行ってもほとんど右から左へ抜けて行ってしまうのだそうです。
問題があると思われる子どもたちの空間認知力がよくわかる画像が、本の表紙ありますのでご覧ください。
この本のタイトルは「ケーキの切れない非行少年たち」です。そして、そういう子どもたちは物が歪んで見えているのが原因なのではないかと。
パズルクラブ本科では、いくつかのものや図形を二人や三人、四人で分ける方法を年少さん時代から学びます。そして、その能力を高めるためのBVTレッスンがあります。
そのほかにも、想像力が必要な問題、距離感を知る点図形、人の顔や行動の絵を見せてその人の感情や考えを想像させるレッスン、木製パズルを通じて適切な自己評価の仕方、問題を解決するための思考の順番などを学びますし、グループレッスンではお友達が考えている途中で答えを教えてしまう浅はかさ(優しさの取り違え)や友人をバカにした発言をした場合は、なぜそういうことをしてはいけないのかを授業を中断してでも講師が話して聞かせます。
パズルクラブ生は私立小学校などで、入学式での入学者代表ご挨拶や学年が上がってから学年代表に選ばれることも多くうれしいことだなと思っているのですが、こういうところの学びが人格形成につながっているのではないでしょうか。
パズルクラブとBVTでの学びは、お勉強だけではないと再確認させてくれた本でした。