皆様、こんにちは。

 

パズルクラブでは、授業が始まる前に必ず「こんにちは(礼)よろしくお願いします(さらに深く礼)」と、先生と生徒は2度頭を下げます。

自然とこのようなスタイルが生まれたのですが、先ほどハッと気が付くことがありました。

『2度の礼』は、神社でのお参りのスタイルと同じだなと。

そして、教室は神社ではないので、神社で参拝の祈りの部分が教室では学びになります。

では、この「二拝」つまり「2度頭を下げて礼をする」というものはどういう意味があるのでしょうか。

今でこそ気軽にみなさん神社参りをされますが、昔は足場もないような山奥だったり何日もかけて旅をして出かける真剣な、それこそ命を懸けて出かける祈りでした。

『礼をする』というのは相手への尊敬とか真剣さなどの気持ちを具体的に表現する方法です。たんなる「ご挨拶」だけではないのです。

 

また、まだ入門して日は浅いのですが、私は『合気』という武道を学んでいます。

その大先生が、浅い礼をするときと、深くきちんと礼をした時では技のかかり方が違うとある著書で書いておられます。

合気の師がおっしゃる「技のかかり方が違う。きちんと礼をすると技がかかりやすい」という言葉に大きなヒントがあります。

私は生徒さんたちと授業をするとき、よくそのお子さんのエネルギーの方向や出方を感じるのですがきちんと礼をする子とそうでない子では確かに学びの質や深さが違うように思います。

以前、私は趣味程度ですが中国武術をしておりまして、その時に「気」というものを学びました。人のオーラのようなものなのですが、同じように場所にも「気」というものがあります。言い方をかえるとよく「パワースポット」とかいう言葉を使いますよね。少し違いますがそれに似たようなものです。きちんとした礼をお互いに行うことは「その場の気がきれいになる」ことにつながります。

今のお子さんはあまりしないようですが、私が子どものころは小学校の校門をくぐるときには立ち止まって必ず一礼をしていました。それは今でも習慣として残っておりまして、訪問先の学校でも頭を下げて通っています。この校門での礼も、礼をすることによってその場所が「真剣な学びの場」となるのではないかと今になって気が付きました。昔は、言われるがままに先輩を見習ってしていただけでしたが。

目に見えない「気」というものをとらえにくいとおっしゃる方は、次のように解釈していただいてもいいです。

しっかりとした礼をすることは、頭を下げると同時におなかの部分がへこんで肺の中の空気が出ます。つまりその動きは自然と深呼吸をしている状態です。深呼吸をすれば体の余分な力が抜けて、心もリラックスできますね。気持ちも新たになります。頭を上げる時にスーッと新鮮な空気が身体の中にいきわたり、脳をフル活動させることができます。そのあとに学ぶ内容を、しっかりと吸収して帰ることができます。

一回だけでは軽い会釈のような礼になりがちですが、二回繰り返して行うことでその場所を学びの場に変えるような美しい礼を行うことができます。

思い起こせば、茶道や華道の師匠も美しい礼の姿でした。「道を究め、極める」のもまずは礼から始まるということでしょう。

お互いにきちんと礼をして物事を始めることは、とても大切なことですね。(講師にとっても学びの場ですから、一緒にきちんと礼をいたします)