英才学考パズルクラブでは、小学校三年生の生徒が今年はカリキュラムを例年より終えて10月末に半分が卒業します。

そのあと、ほぼ全員が中学受験用の進学塾というところに入っていくわけですが、パズルクラブでは3年生現在で進学塾で学ぶ4年生内容をほぼ終えてしまったので、進学塾には来年の2月からスタートするという生徒も少なくありません。

そこで、よく相談されるのが「どこの進学塾がお勧めですか?」です。

長いお子さんで、卒業まで7年から6年のお付き合いですので、性格やご家庭の方針はほぼわかっています。そのうえで、その生徒にぴったり合う進学塾をお勧めしています。

よく聞かれるので、考え方をここにメモしておきますので、良ければ参考になさってください。

①まずはその塾の生徒も外部生も同時に受けられる公開テストを複数回受けて、その中でよい点数が取れるところを選ぶ。(つまり、その塾と相性がいい。上位のクラスに入れる。)

②体験授業を受けて、授業後にお子様が「楽しかった、もっとここで勉強したい」という感じの反応があったところを選ぶ。

③学校などで嫌がらせをしてくるような子が通っているところはできるだけ避ける。お子様が機嫌よく通えることが大切なので。

④あとは子どもの特性に合ったところを選ぶ。

①~③までは、何度かこのブログにも過去に書きましたし、ご理解いただけると思います。

最後の④は、お子様本人を良く知らないと判断できません。その手掛かりになるようなことを書いてみたいと思いますが、これはあくまで個人的感想です。

学習というのは、外部からの情報を身に着けそれを使いこなせるようにすることですよね。

その外部の情報をどうやってお子様は獲得しやすいかということを、意識されたことはありますか?

大まかに分けて、「視覚優位な子」と「聴覚優位な子」があります。発達障害にも似たような言葉が存在しますが、今私が書いているのは一般的な人についての話しです。

例えば、大人が車のコマーシャルを見るというシチュエーションで解説します。

視覚優位な人の場合⇒海沿いの海岸を滑らかに走る車を俯瞰で撮っていて、そこから車にズームアップ。車を横から見たラインは滑らかで美しい曲線。矢のように走る車。横道から在来種の馬の群れが走ってきてしばらく並走し、その後車は都会に到着する。

聴覚優位な人の場合⇒高級ホテルに車が滑るように入ってくる。心地いいエンジン音と車を操作する機械音。到着した車から主人公がおりて、ドアを閉めるドンという重厚な音。車のロック音がしたあと、チェロの音色が聞こえ、車のオーナーがその場を離れていく。

みたいな感じで、同じ車でも車の姿をアピールしたCMと音をアピールしたCMのどちらにより魅かれるのか。ということによって、視覚優位か聴覚優位かというのがわかります。

さて、教室では、視覚優位のお子さんはほぼ毎回教室のどこかに変化があったら「先生、この前あそこに貼っていた紙、どうしたん?」などと、聞いてきます。私の服装や自分の服装の変化にも敏感です。学習では、わからないと言ってきたとき、絵や図を書いてあげるとそれだけで素早く理解し、それをもとに応用をきかしていきます。

聴覚優位のお子さんは、外でちょっといつもと違う音(例えば業者さんが台車を押すような音)がすると、すぐに「先生、あれ何の音?」と不安そうにたずねてきます。学習では、どちらかというと長文が得意な傾向があります。おそらく黙読しながら言葉を耳で聞いているのでしょう。もちろん、イメージとしてという意味ですが。また、わからないと言ってきたとき、言葉の説明だけで理解しやすいです。

これが、生徒の特性に合わせる④につながります。

視覚優位なお子さんの場合、授業で映像を多用したり答えを叫ばしたりする『進学館』がお勧めです。きっと、楽しく授業がうけられると思います。

聴覚優位なお子さんの場合、算数であっても長文読解が必要な大人びた問題が出されたりする『日能研』をお勧めします。日能研はもともと関東系の塾です。中学受験において関東の方が国語が難しく、関西の方が算数が難しいという傾向があります。また、日能研の算数は、現在改革中の大学受験にも対応できているのではないかと感じています。また、以前より最難関女子を目指す女の子にも関西日能研の『灘特進コース』をお勧めしています。一般的な日能研とテキストも講師も全く違う別の塾のような感じです。冠に灘とついていながら、5年生まで社会を含む4科できっちり授業していただけるし、クラス替えは年に一度なので安定して最難関を目指す男子とがっつり机を並べながら学べます。昔は算数が弱い塾で、暗算でできる計算もすべて筆算させるなど無駄が多かったのですが、今はずいぶん算数の指導も良化しているようです。

パズルクラブの卒業生は、ほとんど『希学園』か『浜学園』に進みます。この両塾は視覚・聴覚ともにバランスの良いお子さんが多いように感じます。

3年生までは、浜の方が希より、宿題の量も浜の方が多い印象です。(お取りになるクラスによって違います)4年生になると、進度・量ともにだんだん希学園のほうに負荷がかかるようになってきます。またこの両者の大きな違いは、宿題をどこまで見てくださるかということです。提出した宿題を浜は「見ました」という意味でハンコだけ押してあって、希は一問ずつ解き方の手順や治すべき部分など細かくチェックして返してくれます。その違い分でしょうか、浜より希の方が少し料金が高いです。塾で学んできたことを家でフォローしたり宿題のチェックができるという環境であれば浜がお勧めですし、できるだけ塾で完結してきてほしいと思うなら希でしょうね。

入塾に出遅れたという場合は、『創学アカデミー』がお勧めです。浜や希よりもカリキュラムがゆっくり進みます。理科実験教室が安価で楽しいです。また、浜・希でしんどくなったお子さんが起死回生できる塾です。大手のままだったら合格できなかったと思われる学校に合格する子も少なくありません。知り合いの中では、大学教授のお子さんや学校の先生のお子さんが何人か通っていて、以前どうしてこちらを選ばれたのかと聞きましたら「嫌なところが一つもない」と、異口同音におっしゃっていました。親会社が大手ですのでシステムがしっかりしており、塾講師の先生方のお心が安定していて親身な方が多いように思います。

最近増えてきた「馬渕」ですが、お家賃の高そうなビルにたくさん入っていて、景気がよさそうですね(笑)いくつかの出来事で、あまりいい印象がないので語る資格はありません、良く知らないので。高校受験塾の印象の方が強いです。どんどん店舗を増やしておられるので、以前の欠点が解消され良くなってきているのでしょうね。パズルクラブの卒業生は、ほとんど行っていません。この塾のいいところをご存じの方、ぜひ教えてください。

メインのサブ塾となるところとして、いくつかありますね、

朝倉算数道場(梅田)、算数ラボ(西宮・5年生からのみ)、最強塾(梅田)…こちらのことはまた別の機会にします。

個人的な感想をいろいろ書きました。参考程度に。