「あなたはお父さんに似ているね」
そんな言葉を、一度は言われたことがあるのではないでしょうか。
親子の似ているところは、顔かたちだけではありません。
最新の遺伝学や脳科学の研究は、
父親から子どもへと受け継がれる
「見えない遺産」
の数々を明らかにしています。
今回は、5つのテーマに絞り、
科学的な裏づけとともにご紹介します。
1、性別
――Y染色体という、決定的な贈り物
人間の細胞には46本の染色体があり、
そのうち2本が「性染色体」です。
母親が持つ性染色体はXXの組み合わせのみ。
つまり、母親は卵子に必ずX染色体しか渡すことができません。
一方、父親はXYの組み合わせを持っており、
精子にはX染色体を持つものと
Y染色体を持つものが、ほぼ等しい割合で存在します。
卵子とどちらの精子が受精するかによって、
子どもの性別が決まります。
父親のX精子が受精 → 女の子(XX)
父親のY精子が受精 → 男の子(XY)
つまり
性別は100%、父親が決める
ということになります。
【科学的補足】
Y染色体上には「SRY(性決定領域Y)」遺伝子があります。
受精後6〜7週頃にこの遺伝子が発現すると、
性腺が精巣へと分化し、男性的な発達が進みます。
SRY遺伝子が働かない場合、デフォルトとして女性的な発達が進みます。
(Sinclair et al., 1990, Nature)
今回から【父からの遺伝】に関して5回、続いて【父の子どもの関わり方】について6回シリーズでお届けいたします。

