2、方向感覚

――遺伝率80%の空間認識能力

「地図を見なくても目的地にたどり着ける」
「逆に、どこにいるか分からなくなりやすい」

これほど個人差を感じさせる能力も珍しいものです。

実はこの空間ナビゲーション能力(方向感覚)には、
強い遺伝的な基盤があることが分かっています。

カナダ・マギル大学などの双生児研究では、
空間ナビゲーション能力の遺伝率は
約80%
と推定されています。

また、この能力に関わる遺伝子の多くは
X染色体上に座位しています。

女性は2本のXから影響を受けるのに対し、
男性はY染色体側に対応する遺伝子を持たないため、

父親由来のX染色体の影響を
より直接的に受ける
とも言われています。

「お父さんが方向音痴だから、私も…」

そんな言葉には、実は科学的な根拠があるかもしれません。

ただし、
地図読みや空間パズルのトレーニングによって、
後天的に能力を高めることも十分に可能です。

(Woollett & Maguire, 2011, Current Biology)