前回は、お父さんの「存在」が
子どものストレス耐性と安心の基盤を育てる
というお話をしました。

今回は全6回の最終回です。

テーマは

「お父さんの読み聞かせ」

です。

読み聞かせはお母さんのイメージが強いかもしれません。

でも実は、
お父さんが読み聞かせをすることには、独自の効果
があることが分かっています。


お父さんの読み聞かせは、何が違うのか

研究によると、父親と母親では
読み聞かせのスタイルに違いがあります。

お母さんの読み聞かせ
→ 物語をなめらかに読み進める
→ 子どもが安心して聞ける雰囲気を作る
→ 感情に寄り添ったコメントが多い

お父さんの読み聞かせ
→ 話を途中で止めて「なんでだろう?」と問いかける
→ 登場人物の気持ちを一緒に考える
→ 本の外の話題(実体験や世の中のこと)につなげる

どちらが良いということではありません。

この「違うスタイル」が、
子どもの脳に異なる刺激を与えます。


「なんでだろう?」が想像力を育てる

お父さんが読み聞かせ中に
自然とやりがちな「問いかけ」。

「このクマさん、なんで泣いてると思う?」
「もしあなたならどうする?」
「次にどうなると思う?」

これが、子どもの脳にとって非常に重要な刺激です。

物語をただ聞く
↓
「なんでだろう?」と考える
↓
「もしかしたら○○かも」と想像する
↓
脳の「デフォルトモードネットワーク」が活性化する

デフォルトモードネットワークとは、
ぼんやりしているとき・空想しているときに
活発に動く脳の回路です。

この回路が豊かに育つことで

創造性(アイデアを生み出す力)
共感力(他者の立場で考える力)
自己認識(自分とは何かを考える力)

が発達することが示されています。

(Duursma, 2014, Journal of Early Childhood Literacy)


他者の気持ちを想像する力が育つ

「登場人物の気持ちを一緒に考える」
というお父さんの読み聞かせスタイルは、

「心の理論(Theory of Mind)」

の発達を促します。

心の理論とは、

他の人には自分とは違う気持ち・考えがある

ということを理解する能力です。

「このキツネさんは悲しいんだって。
なんで悲しいんだと思う?」

という問いかけを繰り返すことで

他者の感情を想像する
↓
「自分ならこう感じる」と照らし合わせる
↓
共感の回路が育つ

この力が育つことで、
友達との関係・集団の中での振る舞い・
人への思いやりが自然と身についていきます。


週に数回でいい

毎晩でなくていい。

完璧に読まなくていい。

途中で「なんでだろうね」と言いながら、
一緒に考えながら読む。

それだけで十分です。

子どもにとって、
お父さんと並んで本を読んだ記憶は
特別なものになります。

そしてその時間が、
想像力・共感力・言語感覚を
静かに、しかし確実に育てています。


【全6回のまとめ】

父親の関わりが子どもの脳に与える影響を
6回にわたってお伝えしてきました。

① 声をかける
→ 聴覚皮質が広く発達し、語彙・言語力の基礎が育つ

② 荒っぽく遊ぶ
→ 前頭前野が鍛えられ、感情制御・社会性が育つ

③ 少し待つ
→ 自己効力感が育ち、挑戦する意欲・自立心が生まれる

④ 普通に会話する
→ 語彙・論理力・読解力の基礎が広がる

⑤ そこにいる
→ ストレス耐性が高まり、安心の基盤が育つ

⑥ 読み聞かせをする
→ 想像力・共感力・言語感覚が磨かれる

どれも、特別なことではありません。

お父さんが子どもの隣にいて、
声をかけて、一緒に遊んで、会話をして、本を読む。

その「当たり前の関わり」のひとつひとつが、
子どもの脳を、確実に育てています。

遺伝は変えられなくても、

関わりは、今日から変えられます。

読んであげる絵本は、cr8erで親子で作った絵本なら、より一層こころに残りますね